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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第140号       ’02−06−07★

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     組織図今昔(1)

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●古いCMで、

 

たしか明治チョコレートだったかな、「大きいことはいいことだ!」と

いうのがありました。 同じ値段なら「ほかのより大きい」のがお得、、

うん、「いいことだ!」。 イケイケドンドンの高度成長期、

 

やたら周囲と見比べ、少しでも差をつけたいと願うサモシイ文化が定着。

「隣のクルマが小さく見えま〜す!」、日産のCMもムキダシでした。

 

そして意気盛んな企業は<3年倍増>(第125号既述)の勢い、毎年

盛大に採用し、肥大化に励みました。 その頃、財閥系M電機模範社員

だった友人から「係長に昇格した」と聞かされ、

 

何故<係長>が嬉しいのか分からぬまま曖昧な相づちを打ったら、私の

無知をたしなめるように、「で、部下が300人、、」と。 こちらは

全部かき集めて数十名の<社長>、オソレイリマシタよ。 「でも、 

 

先は長い、、」、見せてくれた稟議書用紙には彼の上が十数段階もあり、

「みんな行儀良く順番を待ってるんだ、、」。 壮大な人間ピラミッド

が目に浮かび、住む世界の違いを感じました。 

 

「輸出立国」の国是を支えていた大企業、その隅々にQCを徹底しよう

となれば中央集権的運営、、 で、立派な組織図が掲げられているのが

ちゃんとした会社、、の時代でした。 しかしサーモスタット屋は、

 

 

第47号既述、故F先生のご指導を打診した際、<全社員氏名入り>の

を求められたが、組織図など持ってなかった。 その必要も、作る暇も

それまで無かったからですが、未だ<ちゃんとした会社>じゃないんだ

から無くて当然、と思っていたせいかも。 だが、

 

それが無くちゃF先生のご認識が頂けない。 取りあえず日常の運営を

図式化して、、みたが、、うーむ、、 こりゃいったい何だね? 

 

<左バッター・ボックスから見下ろしたホーム・ベース>風の<環>に

なって、<始まり>や<終わり>が無い。 しかも環の中に斜めの線が

不規則に飛び交い、何かいい加減、雑然たる眺め。 やはりウチは未だ

<ちゃんと>してないんだよなあ、、

 

  文字通り私は<独裁者>だったが、各チームの連携を助け、時には

  作業支援に回り、で、およそ<上下関係>というものではなかった。

 

  組織が<無い>から肩書きも無く、<さん付け>で呼び合う習慣を

  トップからボトムまで徹底させて、仕事場ではみんな平等、、

 

幸い、F先生も<いい加減>だったようで、ともかくOK。 やれやれ。

その30何年後の今、それによく似た(時計方向へ90度回転、縦長に

したような)のが「これからこうなる!」の例として掲げられ、、

 

おやまあ、サーモ屋ので良かったんだ! ウチがススンデいたんだ、、

 

  何でも早すぎちゃったのよね、と我が女房。 そう、キミの亭主は

  <天才>なのさ。 誰も認めてくれなかったけどね、、

 

*   *

 

それは5月12日放映のNHKスペシャル、<変革の世紀 情報革命が

組織を変える>。 副題は<崩れゆくピラミッド組織>。 解説では

 

「ピラミッド型中央集権組織は上意下達の典型。 それはプロイセン軍

の参謀長モルトケの発明、、 しかし今や、その軍隊が中央集権組織を

否定し始めている、、」。 そして

 

2010年を目標にアメリカ陸軍が進めている改革から生まれる組織と

いうのが、おお!ホーム型の環、斜めの線、、<非階層的組織>、の由。

 

もちろん基本的に<命令は上から>ですが、伝えられる情報の質や場面

の必要に応じ、階層を飛び越え、また横断的に結び合う。 各機能単位

は高性能コンパクト、その配置は一見乱雑、、

 

  サーモスタット屋もまさにそれ。 情報交換は作業チーム相互間で

  随時自由頻繁に行ない、作業の質を微調整して目標品質を維持、、

 

  そうした無秩序的秩序を成り立たせるのは、専門知識と機転と責任

  感で各チーム助け合う人間性。 感度良好で向上心旺盛、サービス

  好きでないと、、 F式心的特性検査が必要だったわけです。

 

  そんな人材、滅多に見つからないから、<肥大化>のしようが無い。

  小さいことは良いことだ! とは言わなかったが、<良いこと>を

  目指すがゆえに大きくなれなかった、のは事実。

 

「組織の末端にもリーダーが登場、、、端末からじかに大砲や航空機の

支援を要請し、あるいはミサイルを発射する、、」のが<未来の兵士>、

だそうで、「セクションを超えて、兵士個々の判断が優先する」とも。 

 

戦争の質が変わってきたからですが、ハイテク装備に身を固めた<未来

の兵士>はほとんどSF的、その名も<ランドウォリヤー>。 ついに

現実がマンガに追い付いたぞ!の感。 これが

 

「前線司令部から送られる戦術インタネット情報に基づいて自ら判断し、

各個に行動を決める、、」  おや、どこかにも似た話がありましたな。

 

*   *   *

 

かつて第32号<臨機応変>に、

 

 「キブツであれ陸軍であれモサドであれ、たえず自力でものを考える

 習慣に重点がおかれる。 規則一点張りではなく、創意工夫がイスラ

 エルの伝統である。 常に考えてみよ、だ。 、、、 

 

 、、、紙に書かれた規則と、規則の精神とのあいだに矛盾が生ずれば、

 精神のほうに立て。 機械ではなくて人間として行動せよ、、、」

 

それがイスラエル軍の行動方針にも織り込まれている、、と書きました。

基本的に<狙い>の明確化と徹底、その達成に形式は二の次、、

 

これまでの軍隊たとえばアメリカ軍は、正規軍同士の戦闘を前提にした

編成だったから、対ゲリラ、対テロリズムでは負けっ放し。 比べて

 

イスラエル軍は、日常的に対テロリズム。 上記はそこに由来する伝統、

と思われます。 いわば全員<007>方式、10年後のアメリカ軍も

そうなっているのでしょう。

 

最前線の兵士各個がリアルタイムの情報に基づいて自ら考え、目標達成

に最適のハイテク手段を駆使する、、 マッチョなだけでなく、頭脳が

優れてなきゃ勤まりそうにない、、

 

  <ゆとり教育>じゃ<未来の兵士>は作れない。 ハンターイ!と

  叫ばずとも、戦争なんか出来っこない。 平和な国、、

 

そしてビジネス戦争の兵士も同様、<ゆとり教育>じゃねえ、、、

 

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●これからの組織はオーケストラ方式、

 

と説いたドラッカー教授の著書<未来企業>は1992年。 オーケストラ

は指揮者が率いる、即ち依然、<指示は上から>ということ。 しかし

その10年後の今、MITトマス・マローン教授によると、

 

 「新たな組織では、自分のすべきこと、自分の居場所は自分で見付け

 られなくてはならない。 やるべきことが決まってない不安定な状況

 の中でも動じない能力が必要、、」

 

、、だろうけど、そんな人材、どう育てる? 企業内教育で補えるとは

思えませんぞ。 どこかからハントするほか無いが、どうやって見つけ

ますかね? 

 

幸い見つかって、ハントにも成功したとして、その人を果たして企業が

使いこなせるだろうか? 彼らが能力を発揮するのに必要な環境を提供

できるだろうか?  アメリカでは出来ているらしいけれど、、

 

 <教育産業>での私は<不安定な状況でも動じない>働き手でしたが、

 教祖には<可愛げない奴>と睨まれ、15年間イビラレ通しでしたよ。

 

 社員に能力を求めるくせに、それを眼前にすると心穏やかではいられ

 なくなる、、 そういう<上>ばかりですからな、この憂き世は。

 

それはともかく、マローン教授が示した<未来の組織図>は、星座的と

いうか宇宙的というか、ほとんど3次元CG的、いかにも知識産業向き。

そして<異質の知恵>を集めて<創造>する例、として

 

 

映されたのは、テネシー州メンフィスのバックマン・ラボラトリーズ社

なるグローバル研究開発企業。 問題を抱えて行き詰まった社員はまず

パソコンに向かい、LANのフォーラムへ書き込む。

 

たとえば英国の営業マンが、顧客製紙会社の「澱粉がうまく機能しない、

紙の強度が出ない」という問題への助けを求める。 と、たちまち世界

各地の研究者からアイデアが寄せられて来る。 いわく、

 

この薬品を試したか? 澱粉自体が問題なのではないか? システムが

プラス・イオン化していないか? それでも袋小路に入ってしまった時、

 

ドイツの営業マンからの「澱粉を分解する微生物の影響では?」が正鵠

を射て、微生物の活動を抑制する化学薬品を用いることになり、

 

1ヶ月後には試作品が出来、問題は解決。 「久しぶりに着たコートの

ポケットで5ドル札を見付けたような気分。 ハッピー!」

 

一人が生み出す成果よりも、チームで挙げた成果の方が高く評価される

同社では、昇進や待遇より仲間からの認識が得られることに生き甲斐を、

仲間から尊敬されることでハッピー!を感じるようになった、、とは

 

アメリカ、変わりましたな。 わが国往年の<小集団活動>にもそんな

効果がありましたが、あれは<仲間>の輪が小さすぎて<異質>が無く、

小集団同士は競争を強いられて<コラボレーション>にはほど遠く、、

 

他社がやるからウチもやる、参加者もほとんど形式的、、どこを取って

も<創造>的とは申しかねました。 その後ビジネス環境は変わったが、

何故か<日本人>は変わらない。 特にトップの意識が、、 たとえば、

 

*   *

 

未だに件数だけを競わせるような提案制度を止めない企業が少なくない。

せめて企業内LAN(くらいはあるでしょ?)に<フォーラム>を設け、

 

他の参加者に刺激を与える提案や、有効なヒントを提供した人に高得点

を授け、報酬に反映させる encouraging な仕組みにすれば良いのだが、、

 

尤も社員に、そんな余裕があるかどうか? リストラで人数は減らされ、

しかし仕事量は減らず、自分の仕事だけでも過労死寸前。 誰かの面倒

をみてやってもそれが自分の評価に全くプラスされない、、 ではねえ。

 

社員あっての会社、メンバーあってのチーム、分かりきったことなのだ

が、何か進言すればたちまちキレ、「イヤなら辞めるほか無いな、、」

なんて嘯く<上>が増えている。 チキショー、足元見やがって、、!

 

  決まり文句「経営者横暴!」を叫ぶ労働ゴロをかつては軽蔑した私

  ですが、今はむしろそう叫びたい。 我こそは過激派!の心境、、

 

<上>をコキおろしても始まりませんが、長い不況も本質<上>の能力

不足のせい。 ゴーン氏が来て日産が変わったように、何か変えるなら

(そして本気なら)、まず<上>からリストラせよ、です。 

 

<日本買い叩き>と言えば抵抗したくなるが、社員には会社が無くなる

よりマシ、仕事して給料を受け取ることが大切です。 この国の浮上を

邪魔している働かない<上>、アタマの悪い<上>にいなくなって頂く

必要がある。 <買い叩き>受け容れも、そのDAでは一つの案。

 

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●<非階層組織>は実力の世界、

 

しかも不易流行、<流行>部分の変化は速い。 本質を見失わずに行く

には<不易>部分をもっと堅固にする必要がある。 番組の締めくくり

も、「一見関係が無いと思われる情報や誰もが当たり前と見逃している

情報の中に新たな価値を見いだす力が問われている」。 え? そりゃ

 

Rational Process の能力を高めよう、ということじゃありませんか?

                          ■竹島元一■

 

      ■今週の<私の写真集から>は ★叶った夢★

 

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